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◇中国の輸出許可制、前提に数量割り当て
中国政府は5月20日から鋼材輸出を抑制するために輸出許可制を導入している。3月、4月と過去最高を記録した輸出だけにこの許可制でどの程度制限できたのか6月実績が注目されるところである。

この許可制、今のところどのような基準で誰が許可を与えているか不明のままであるが、3週間経過してようやくその一端が判ってきた。高炉、商社など現地事務所の調査で幾分許可基準などが明らかになりはじめているもの。

それによれば、中央政府は各省の政府に対し鋼材輸出数量を割り当てているとされる。各省は割り当てられた数量をもとに省の大手高炉に対して板類(薄板、厚板)を優先的に割り当てて輸出を許可している。次に中小ミルに残り数量を充当し、それでもまだ残量がある場合、大手流通業者に割り当てるとされる。流通は全く輸出できないとの情報もあったが、ある程度の輸出はできるものとみられる。

板類が基本となり建材、それにローグレード品に関しては許可が下りるのは難しいと伝えられている。これからみると中国のなかで高級品でしかも競争力ある製品が優先的に輸出できる制度でもあるようだ。

中国の輸出数量は4月では半製品を除く鋼材輸出数量が716万トンであった。4月の輸出税還付率の変更、それに許可制、さらには6月1日からの輸出税の賦課と政府の制限策が打ち出されるたびに駆け込み輸出現象が起こりその都度輸出量が膨大なものに膨れ上がっている。

ただ、これだけの数量が海外に流入しても現実としては世界のどの地域でも大量の中国材の到着情報がない。業界筋のなかでは「本当に700万トンも輸出されたかは疑問」としている向きもある。現実にはまだ鋼材が生産されていないにも関わらず将来の輸出分をも通関手続きのなかに組み入れたケースもあるとの噂が流れているという。こうしたことが事実ならば、本当の輸出量はここまでには至らないことになる。
日本のホットコイル輸出価格は東南アジア向けなどでFOB560ドル、中近東や中南米向けが同580ドルと依然価格を保っており、これらの地域からの引き合いも強い。今のところは中国の大量輸出の影響はみられないといえる。
last modified : Fri 15 Jun, 2007 [10:21]
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