原料・鉄鋼貿易版 Topics < 鉄鋼貿易 > Home
HOME >> Topics 一覧 >> August, 2008 >> 14 (Thu)
◇中国内でも「その他合金鋼」の輸出増を問題視
中国国内でいわゆる「その他合金鋼」の輸出増が問題視されているようだ。同国の中国特殊鋼企業協会がこのほどこの問題に見解と提案を行い、「冶金報」が採り上げ報道した。

中国の合金鋼輸出問題は欧州委員会が中国産線材に対するAD調査を開始した際に非合金鋼に限らず合金鋼線材をも対象とし、日本でも先に開催された日中鉄鋼対話でも議題となった。ただ、日本向けにはほとんど入着していないために影響はでていない。

中国では非合金鋼の輸出向けはホットコイルなどでみると増値税17%と輸出税5%が課税され、合計22%の税金が賦課されている。これに対し合金鋼は原則として増値税の還付が存続し5%が戻ってくる。そのうえ輸出税は線材(0〜5%)と棒鋼(同)を除き課税されていない。合金鋼の輸出は政府が奨励しているからだ。

このため、メーカーの中には少量のフェロアロイを加えて普通鋼鋼材製品を合金鋼材に転化させ、輸出税の徴収を免れ、更には輸出増値税の還付を受けているケースがでている。僅か数十元のコスト増で22%の還元が実現することになる。今年1〜5月の統計でその他熱間圧延合金鋼棒鋼の輸出量が前年同期比263.2%の増加を示した。同協会はかなりの部分が輸出を奨励している本当の意味での合金鋼ではないとしている。

各税関で現場調査を行ったところ異形棒鋼や線材、コイルにホウ素やクロム、ボロンなどを加えれば中国のHSコード72283000(合金鋼棒鋼のコードと思われる)の基準を満たすことができ、関税徴収から一転して税還付を享受できるために合金鋼輸出量の大幅増という局面が生じている。また、棒線類では炭素鋼を装って合金鋼として輸出されるケースもあり、これも合金鋼棒線類の輸出増の背景の一つともいう。

同協会は見掛け上の合金鋼の輸出量の増加は技術的要素が高く高付加価値鋼材の輸出に悪影響を与えるもので特殊鋼業界としては極めて憂慮しているとしている。この対応策として同協会は「その他合金鋼」の定義のなかで(1)化学成分に関する規制条件を引き上げて新しい成分要件を満たす製品にはもとの課税番号を用いる,(2)新しい成分要件に適合しない商品には「その他」に分類ーすべきとしている。さらに合金含有量が1%に満たない製品については輸出増値税還付政策から外すこと、輸出品質基準制度を実施することによって効果的な鉄鋼製品の輸出総量を制御することが可能と指摘している。
last modified : Wed 20 Aug, 2008 [12:27]
Copyright (C) 2004 The TEX Report Ltd. All Rights Reserved.