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◇来期のブリキ・ローモ商談、焦点は中国向け値上げ
来週後半から来期(10〜12月)積みアジア向けブリキ・ローモ商談が開始する見通しである。ホットコイルや冷延鋼板などの需給が軟調の兆しがあるなかで食糧ビジネスに密着したブリキ関係は欧米を除き世界的に需給タイトな状態が続いている。日本ミル各社は今年、東南アジア向けではブリキ、ローモとも400ドル以上の値上げを実現しているが、需給タイトな環境を反映し今回も追加値上げを打ち出す方向である。そのなかで焦点となるのは中国向けのブリキ、ローモの値上げである。

来期のブリキおよびローモ商談は日本以外ではすでに始まっており、韓国の大手リローラーは原板のホットコイルの大幅な上昇を受けて中東向けにC&F1,900〜2,000ドルでオファー、成約をみていると伝えられている。日本の今期積み東南アジア向けブリキ価格がFOB1,400ドルであるのに比べると超高値といえる。また、欧米ではアルセロールミッタル、USスチールなどが2009年積み交渉を開始、08年比600〜700ドル(ST)の値上げを打ち出している。

アジアでは東南アジアを中心にブリキ需要は旺盛である。だが、これに対する供給側には問題がある。日本の高炉に設備トラブルが相次ぎ、素材のホット生産が十分ではなく10月以降も減産基調が続くことが濃厚となっている。ローモ供給に不安が発生しブリキの輸出玉も制限されるのは必至な情勢となってきている。中国でも宝山鋼鉄が設備不調で2基ある連続焼鈍ラインのうち1基を9月から1ヶ月間休止するとの情報が流れており、そうなるとローモ、ブリキの減産は確実となる。欧州でも有力ミルはブリキの生産能力を削減したが、そのうえドイツの最大手のラッセルシュタインが素材のホットコイル不足しているとして減産を実施すると発表している。

こうしたことを映しブリキ需給は来期も極めてタイトな環境にあるといえる。それを背景に日本ミル各社がどの程度の追加値上げを打ち出すかは現在、検討中だ。ただ、中国向けをみると東南アジア向けに比べ現行で150ドル以上低い価格レベルとなっており、この陥没的な価格を如何に是正するかが問題であり、他地域に比べ大幅ね値上げにある見通しである。ブリキでみると、東南アジア向けローモが今期でFOB1,150〜1,200ドルとなっているのに対しまだ同1,000ドル、あるいはそれ以下というのが残っており、ローモ用ホットコイル(韓国向けで同1,000ドル)並みかそれを下回るものもあるほど。

こうしたケースが発生するのは中国では宝山鋼鉄価格が支配しており、それに同国のブリキメーカーが追随しているからだ。輸入材もこれに倣うケースが多いが、今度は追随できない情勢にある。宝山は今週中にも来期あるいは10月価格を発表(若しくは顧客に個別通知)する見込みであるが、政府の価格抑制策を背景に据え置くとの見方が支配的なためだ。

仮に宝山がローモ、ブリキ価格を横ばいにしてこれに追随した場合、東南アジア向けとは差がさらに拡大することになるからだ。東南ア地域は需要の最盛期に入ることから追加値上げ分が通るのはどのミルも当然とみている。そうなると、東南アと中国とでは数百ドルの値差が生じる可能性があることになる。今期でも宝山の値上げ幅が少なく、それに追随したケースも現れたために150ドルもの差ができただけに、今回は追随を避けて独自価格を価格を打ち出せるかその正念場といえる。
last modified : Tue 26 Aug, 2008 [11:13]
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