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HOME >> Topics 一覧 >> August, 2014 >> 08 (Fri)
◇欧州のGOメーカー、日本など数ヵ国をAD提訴
欧州域内のオウトクンプなど複数の方向性電磁鋼板(GO)メーカーが欧州鉄鋼協会を通じて日本など数ヵ国から域内に輸入される方向性電磁鋼板を対象に欧州委員会にAD提訴した模様である。来週後半の13〜15日の間に同委員会はAD調査を開始するか決定するという。

現段階で対象となる国は日本、韓国、中国、ロシアそれに米国など複数国とみられる。米国DOC(商務省)が去る5月に日本、中国、韓国、ドイツ、ポーランド、チェコ、ロシアの7ヵ国から輸入される方向性電磁鋼板に対し仮決定し各国に高率のマージンを賦課することを明らかにした。日本には135.59〜204.79%だった。米国市場から締め出されたGOが欧州域内に流入するのを警戒しAD提訴することによって壁を造るのが目的なのかも知れない。

方向性電磁鋼板はここ数年世界的に不振を極め価格は1,000ドル以上下落した。このため、欧州の方向性電磁鋼板ミルのなかでは工場売却、撤退の噂が流れたケースが出るほどであった。今年に入って方向性電磁鋼板価格は回復、日本からの欧州域内向けは100ドル以上の値上げで今年下期(7〜12月)積みが決着している。韓国などのミルも日本並みの値上げを行なったものとみられる。ただ、欧州域内の電磁鋼板各社は年間契約である。このため、今回、海外のGOが値上がりしたが、欧州ミルが値上げを享受できるのは来年からである。

域内の方向性電磁鋼板の需要回復の利益を欧州ミルが受けるには輸入材を締め出す方が得策である。提訴は今年6月には準備されていたとの情報がある。

方向性電磁鋼板に対するAD問題では米国が先鞭をつけている。日本などからの輸入を止めたことによって米国の重電メーカーなど需要家各社は高品質な方向性電磁鋼板を入手できないことになり、結局はカナダやメキシコなどに工場を移転した。日本からの輸出は米国向けが止まっても北米向けとしては被害がない事になった。

同じ現象が欧州域内でも起こることが考えられる。日本から欧州域内には年間5〜6万トンの方向性電磁鋼板が輸出されているが、大部分は欧州ミルが生産できないミドル、ハイグレード製品である。それだけに欧州の重電各社は日本製品をAD提訴対象から除外することを求めるものとみられる。

いずれにしても、欧州委員会が調査を開始するかは現段階では不明である。製品の除外対象があるかがまず注意を引く事になる。
last modified : Mon 18 Aug, 2014 [10:57]
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