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◇10月積み線材輸出商談、若干の値上げ狙う
日本ミルによるアジアを中心とした10月積み高炉線材輸出商談が今週にも本格化する見通しである。基本的には9月積みと線材輸出環境ではさほどの変化がないために大きく値上げすることは無理だが、ウクライナ産の線材輸出が止まっていること、米国の線材需要産業が好調なことから僅かでも値上げを狙う方針。オファーは明らかではないが、20ドル内外の値上げを提示、5〜10ドル程度の値上げを図る意向である。

本来ならば、中国は9〜10月に秋需の時期に当たり線材は値上がりする。だが、今年の場合、不動産価値の低迷や金融の引き締めのためかまだ需要の高揚がみられない。中国ミルの9月積み国内向け線材価格は鞍山鋼鉄が据え置きとし、武漢鋼鉄は20元(3ドル弱)値上げとし、宝山鋼鉄はタイヤ用スチールコード線材を150元(24ドル)値下げし他を横ばいとした。武漢の場合、これまでは工場渡し表示であったが、これに若干の流通費を上乗せしたための値上げといわれる。また、宝山はスチールコード価格が高すぎたために修正したものとされる。従って実質的には武漢にしても宝山にしても値下げをしない姿勢を打ち出したものとみられる。今週には台湾のCSCが10〜11月積み国内向け鋼材価格を打ち出す見通しだが、市場では据え置きの予想と伝えられている。

タイの線材需要は自動車部品としてタイから豪州、近隣諸国に輸出されているために自動車向けでも薄板ほどの量的な減少はない。インドネシアや中国向けも量的な変化はなさそうだ。従って、アジア地域向けでは10月積みの線材輸出量には変化はない模様。

10月積み以降の商談で気になるのは中国ミルの動きである。価格的にはハイカーボンでCFR550ドル台と日本に比べ100ドル以上低い水準にある。このため、日本ミルが中国ミルと競争するようなことはない。問題は米国から中国の太陽光パネル、タイヤなどがAD提訴されていることだ。太陽光パネルにはソーワイヤーが使用され、タイヤにもタイヤコード線材が使われているために米国から締め出された場合、これらの線材の行方が憂慮されるからだ。

ウクライナからの線材輸出がストップしている。オファーも見当たらないという。同国の向け先は中東、アフリカ地域と見られている。このため、日本ミルにはほとんど関係ないが、ウクライナから供給を受けている国は普通線材などで緊急引き合いが寄せられる可能性がある。緊急ということで普通線材が値上がりする可能性がありひいては他の線材にも影響を与えることもあり得るとみて、日本ミル各社は関心を寄せている。
last modified : Thu 28 Aug, 2014 [15:12]
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