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◇TKSが高炉で水素還元テスト
=2030年までに温室効果ガス排出量30%削減
ドイツの大手製鉄会社であるティッセンクルップスチール(TKS)が12日、製鋼中に発生するCO2排出量を大幅に削減する目的で、稼働中の高炉で水素を使用に関する一連のテストを開始したと明らかにした。2030年までに排出量の30%を削減する中間目標を掲げた。

今回、開始されたテストは、2050年までに気候変動に影響を及ぼさないクライメイト・ニュートラルとする同社戦略の重要な部分となっている。

TKSは2030年までに、自社の生産とプロセスからの排出(スコープ1エミッション)、エネルギー購入からの排出(スコープ2)を30%削減する。

「気候戦略で明確な目標を設定した」と、同社グループの材料事業を担当するティッセンクルップ社(thyssenkrupp AG)の理事会メンバーであるクラウス・キースベルグ博士は述べた。「鉄鋼生産は排出量削減の可能性は非常に大きく、気候目標の達成に重要な役割を果たす。だからこそ、水素技術への移行を推進するために全力で取り組んでいる」などと述べた。

CO2の代わりに水蒸気

従来の高炉法では、1トンの銑鉄を生産するのに約300キログラムのコークスと200キログラムの微粉炭が必要だ。石炭は、28個のいわゆる羽口から高炉シャフトの底部に追加の還元剤として注入される。12日のテスト開始時に、これらの羽口のいずれかから水素が第9高炉に注入され、その後、2022年からは3基の全高炉に注入される。

水素注入の利点は、石炭を注入するとCO2が排出されるのに対し、水素を使用すると水蒸気が発生することだ。したがって、生産プロセスの時点で、すでに最大20%のCO2削減が可能だとしている。

プロジェクトへはノルトライン=ヴェストファーレン(NRW)州から開始したIN4クライメイト・NRWイニシアティブの下で、資金提供を受けており、BFI(ドイツ鉄鋼協会鉄鋼研究所)研究所によって科学的な支援を受けている。州政府は、今年4月に最初のテスト段階の資金承認を行った。

水素は、今後数十年でティッセンクルップスチールの気候戦略の重要な推進力になる、という。高炉の改造に続き、同社は大規模な直接還元プラントの建設を計画しており、2020年代半ばから水素含有ガスで稼働する予定だ。生産された海綿鉄は、最初は既存の高炉で溶かされるが、長期的には、再生可能エネルギーを使用して電気炉(アーク炉)で粗鋼に加工するとしている。
last modified : Tue 19 Nov, 2019 [11:33]
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