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◇JFEスチール、業界初となる黒皮鋼材表面検査自動化
=目視検査工程の自動化で生産性向上
JFEスチールは14日、これまで目視が主流であった黒皮鋼材製造ラインの表面検査で、凹凸欠陥の発生を検出する新しい画像式表面検査技術を開発し、業界初となる検査の自動化を実現したと明らかにした。

鉄鋼製品の品質向上は非常に重要な課題。欠陥の無い製品をユーザーに提供するため、JFEスチールでは様々な検査装置の開発に取り組んできた。例えば、自動車用鋼板などに用いられる冷延鋼板では表面に発生する欠陥を検出するために光源とカメラを用いた表面検査技術による自動化を推進。一方で、鋼管や厚鋼板など、表面を黒皮と呼ばれる黒い酸化膜で覆われた鋼材製品では、製品表面模様と凹凸欠陥の区別が難しく、熟練オペレータによる目視検査のレベルに匹敵する自動検査技術が確立されていなかった。

同社はそこで、凹凸欠陥のみを強調し検出できる新しい技術「ツイン投光差分型検査技術」を独自に研究開発し、複数の黒皮鋼材の製造ラインへ導入した。

黒皮鋼材の実用的な表面検査装置の導入は業界初となるもので、開発した「ツイン投光差分型検査技術」は、欠陥が凹凸であるのに対し、製品表面の模様部分は平らであることに着目し、2方向から光を高速に交互に照射しながら撮像し、撮像された画像を差分(差を計算)することを特徴としている。

2方向から光を交互(1万分の1秒で交互に10〜20回発光)に照射しながら撮像された2枚の画像では、凹凸は陰影のつき方により見え方が異なり、製品模様は同じようにみえることから、画像の差を計算することで同一に見える製品模様をキャンセル、凹凸欠陥のみを強調することが可能となった。(図)

この技術はすでに知多製造所のシームレス管工場や東日本製鉄所(京浜地区)の厚板工場に導入し運用を開始している。導入した製造ラインでは、連続的に発生する凹凸欠陥の早期検出や、確実な凹凸欠陥検出による流出防止など、製品の表面品質向上に寄与している。また、知多製造所の溶接管工場や西日本製鉄所(倉敷地区、福山地区)の厚板工場へも、本検査装置の導入を図っていく予定だ。

JFEスチールは、鉄鋼業のグローバルな競争に勝ち抜いていくため、ユーザー満足度に繋がる製品の品質向上は重要な課題であるとし、今後も、検出性能の高い新表面検査技術の開発と実用化を進め、より一層の製品品質向上に努めていく考えだ。

開発にあたった飯塚幸理・サイバーフィジカルシステム研究開発部長(博士)は、「センシングはデータサイエンスの入り口にあたるもので、カスタマイズ化し、キズの凹み(0.2mm)を見逃すことはない。不良品が出ないということが最終目標であり、(検査の自動化で)目視が主流だったこれまでの表面検査のようにラインを止めなくてもよく、生産性が向上する」としている。
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last modified : Thu 21 Nov, 2019 [11:08]
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