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◇日本製鉄、バローレック社の増資引受け
=ブラジルの共同運営会社VSBの持分は譲渡
日本製鉄は4日、鋼管事業の重要な戦略パートナーであるフランスのバローレック(Vallourec S.A.)との間で、バローレック社が行う新株予約権の全株主均等無償割当(ライツイシュー)による増資引受けについて合意したと明らかにした。

両社は、これまで40年以上の油井管特殊継手VAMRの協業や、ブラジル、米国、アジア地域での共同拠点展開を通じて事業連携を進めてきた。特にVAMRの協業については、従来の研究開発だけではなく、2016年以降、製品化プロセスや顧客サービスを含む総合的な範囲まで拡大し、連携を強化している。

バローレック社は、財務体質を改善するため、2020年4月の同社株主総会で8億ユーロのライツイシューによる資本増強を決定したが、その後の世界的なコロナウィルス感染拡大をきっかけとした環境変化により、このライツイシューを実行できず、昨年9月以降、フランス法に定める手続きに基づき再建計画を検討してきた。

今回、バローレックは、主要債権者との間で、3億ユーロの新たなライツイシューを含む財務リストラ計画に関する合意に達し、今後、債権者集会、株主総会とフランス裁判所の承認を得て実施する予定であると公表した。

日本製鉄としては、ライツイシューに伴い3500万ユーロの新株を引受けることで、鋼管事業の重要な戦略パートナーであるバローレックの財務基盤の強化・安定化をサポートするとともに、これまで行ってきたVAMRの開発・製品化・顧客サービスの強化・発展に引き続き取り組み、鋼管事業の収益力を高めていく考え。

一方、日本製鉄と住友商事が共同出資で運営しているブラジルの鋼管製造販売会社バローレック・ソルソィンス・トゥーブラレス・ド・ブラジル(VSB)については、これまで収益力強化に取り組んできたが、昨年以降、日鉄がVSBで生産する汎用普通鋼の油井管需要は減少している。

こうした環境下で、同社が確保してきた年間30万トンの生産枠維持は合理的ではないと判断し、日本製鉄グループが保有するVSBの全持分(15%)について、今回、合弁契約上の買取請求権を行使し、今年3月末を目途にバローレックに譲渡する。

今後、日本製鉄は同社が確保してきたVSBの生産枠を段階的に低減し、2022年中に終了する予定。

日本製鉄は、これらにより関西製鉄所に油井管の生産を集中しコスト競争力を向上させるとともに、同所が得意とするハイエンド商品の拡充により、油井管事業の更なる収益基盤の強化を進めていく考えだ。
last modified : Fri 26 Feb, 2021 [20:45]
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