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◇2021年3月31日の合金鉄輸入市況動向
=合金鉄価格は一部で減速、中国に過剰生産抑止の動き
中国国内の合金鉄価格高騰は、内蒙古自治区の一部で制限が緩和されることや、1-2月に買われた先物の売り急ぎなどが重なって一気に冷え込んだ。また、中国政府は鉄鋼の過剰生産抑止を目的に熱間圧延鋼材や鉄筋棒などの増値税還付率(輸出時)の引き下げを検討しており、警戒した電炉ミルが減産に転じるなどの動きも合金鉄価格にとって値下げ材料になったと見られている。

一方、3月23日にスエズ運河で発生した大型コンテナ船の座礁は、欧州で中国産電解金属マンガンの値上がりを生んだが、30日には航行が再開したことで、今後やや下火になる見通しだ。

2021年3月31日の合金鉄の輸入市況動向は以下の通り。

◇金属シリコン=中国国内の金属シリコン価格は3月中旬に上げ止まっていたが、月末近くになって下落を始めた。市場関係者は反落の理由として、(1)需給バランスが改善したこと、(2)高値修正安、(3)4月以降の供給増加を期待した先安感――などを挙げている。31日現在、中国国内の中心価格は553グレードがトン当たり12,700-12,900元(2月末比0-100元高)、441グレードは13,700-13,800元(同100-200元高)、3303グレードは14,200-14,400元(同100元高)、2202グレードは15,700-15,900元(同横ばい)となっている。

輸出向けは553と441グレードが2月末に比べて30-40ドルの下落、3303と2202グレードが10-30ドルの上伸となっている。

日本国内のアルミ需要は引き続き堅調だが、中国国内の価格変動により成約価格の上下の幅が広がった。足下の成約価格は2月末(3-4月積み)に比べ上値が30ドル高、下値が10ドル安となっている。

◇フェロシリコン=中国の国内市場では3月後半になって”売り優勢”となり、フェロシリコン価格は下落した。市場関係者は値下がりの理由として、(1)内蒙古自治区(国内生産1位)の一部地区で電力制限や生産規制が緩和されたこと、(2)鉄鋼ミルによる在庫積み増しの終了、(3)1-2月に購入された先物の清算による利益確定売り――などを挙げている。特に硅素72%品の先物が大量に売られたため、これまでトン当たり100元前後だった硅素75%品との価格差が200元程度にまで拡大した。市場価格の一時的な混乱で流通の管理もやや杜撰になり、硅素72%品の一部がサイジングも行われないまま”75%品”として脱税し不正に輸出されるケースも散見されている様子だ。

日本国内では中国での値下がりが波及し、全体的に成約価格は大きく下落した。現物が不足していた環境から一転して供給過多になり始めているため、不自然な安値品や不正な輸出品の氾濫が危惧される。足下の成約価格は2月末に比べてトン当たり70-80ドル下落した。

中国産のフェロシリコン(硅素75%品)は2月末に比べ70-80ドル安になっている。

ロシア産フェロシリコンはスポット市場向けの現物が依然としてタイトだが、5月積みの成約価格は前回(5月積み)から80ドル安になった。

マレーシアでのフェロシリコン生産は大きな変化無く継続している。現在のオファーは5月積みで、日本向けの成約価格は前回(5月積み)に比べて100ドル安となっている。

◇シリコマンガン=3月25日、Soutu32は中国向け5月積みマンガン鉱石の価格を据え置きで発表した。また、南アフリカのUMK社は”コスト面からトラック輸送を中止する”としつつも5月積み鉱石の価格を引き下げている。

中国最大のシリコマンガン生産地である内蒙古自治区で電力制限や操業規制が実施されると、急騰したシリコマンガン価格だったが、3月後半には反落を始めた。市場関係者は下落の理由として、(1)内蒙古以外での増産、(2)一部地区での電力制限と操業規制の緩和、(3)先物の利益確定売り、(4)電炉ミルの減産検討による消費減少――などを挙げている。足下で内蒙古産の6517品はトン当たり6,900-7,000元と、2月末に比べ150-300元安になっている。日本向けはオファーがあったものの成約は無かった。

インドでは、(1)海外の大手マンガン鉱山が鉱石価格を据え置くか、引き下げたこと、(2)国内向け6014品の需要が好調で増産した分6517品が減産になったこと、(3)為替の米ドル高/ルピー安、(4)海上運賃が引き続き上伸したこと――などから地域や生産者ごとにオファー価格が分かれ、成約価格も上下差が拡大した。全体的には安値品が払底し、成約価格は上伸している。

マレーシア産のシリコマンガンについては、OMサラワクとパータマ・フェロアロイズが生産しており、その成約価格はインド産よりもやや高くなっている。

日本国内では大手手鋼ミルの長期契約の価格交渉が一巡したものの、スポット物の需要も堅調で価格は底堅い。足下の成約価格は2月末に比べ140-150ドル高になっている。

◇高炭素フェロクロム(チャージ・クロム含む)=4-6月期の長期契約については、欧州向けが19日にポンド当たり156セント(前期比38.5セント高)、日本向けが30日に164セント(同38.5セント高)で決着した。アジア、欧州、米国でのステンレス鋼生産回復や在庫の回復が強い需要となった一方、供給で大勢を占める南アフリカは冬場(7-9月)を前に稼働率が低調なことに加え、電力代の引き上げ(4月1日から15%上げの予想)や物流の混乱などから価格が押し上げられた。また、海上運賃の高騰も大きく。大幅な値上げとなったが需要家の多くもこの価格を受け入れている。なお、南ア政府が昨年発表した”クロム鉱石輸出税”については追加情報が一切無く、業界関係者には困惑が広がっている。日本向け高炭素フェロクロムのスポット物は依然として取引の無い状態が続いた。

中国国内では3月中旬に一度上向いたが、再び軟化し、3月下旬になって大幅に下落した。内蒙古自治区(国内生産1位)の豊鎮市で操業制限を緩和したとの報道や、内蒙古以外の生産地が増産をしたことに加え、1-2月に買われた先物が清算時期を迎えたことで投機筋が利益確定売りを急いだことなどが要因だ。ただ、中国国内のステンレス鋼材価格は好調で、フェロクロムの需要も堅調なことから、足下では価格が下げ止まり、上向き始めている。

続きは本紙「日刊 原料・鉄鋼貿易版」に掲載。
last modified : Mon 19 Apr, 2021 [11:02]
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