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◇ハイブリット・イニシアティブ水素貯蔵施設の建設開始
=投資額は2億5000万スウェーデンクローナ
SSAB、LKAB、バッテンフォールのスウェーデン企業3社は7日、スウェーデン北部ボスニア湾沿岸のルレオにあるハイブリット・パイロット・プラントの隣接地に化石燃料フリーのパイロット用水素用岩石洞窟貯蔵施設の建設を開始したと発表した。投資額は約2億5000万クローナ((約2900万ドル、1ドル=約8.62クローナで試算)で、持ち株会社3社とスウェーデン・エネルギー庁が均等に出費する。施設は2022年から2024年の稼動が見込まれている。なお、3社が進めているハイブット・イニシアティブの概要は次の通り。

〔ハイブリット・プロジェクト〕
ハイブリット・イニシアティブは製鉄会社SSAB、鉱業会社LKAB、エネルギー会社バッテンフォール社の3社によって2016年に開始。化石燃料フリーの還元鉄(海綿鉄)生産のパイロット・プラントは2020年8月31日にルレオで稼働を開始した。今年3月24日には、商業規模の実証プラントをイェリバレに建設することが決まった。イェリバレ近在にはLKAB操業地の一つマルムベリエトがある。

3社は鉄鉱山から最終鋼材の出荷まで化石燃料フリーのバリューチェーンを構築する。プロセスからの二酸化炭素の排出を排除し、排出物は水だけとなる。

施設にソリューションを提供する研究および技術開発会社としてハイブリット・デベロップメント社(Hybrit Development AB)を設立し、技術開発は持ち株会社との緊密なパートナーシップで運営される。

水素を貯蔵するパイロット施設へは約2億5000万スウェーデン・クローナが投下されるが、これには2年間の運用とテストプログラムも含まれている。

今日の鉄鋼業界は、世界の二酸化炭素排出量全体の7%を占めているが、このイニシアティブは、スウェーデンで10%、フィンランドで7%の二酸化炭素排出量を削減する可能性を秘めている。

ハイブリット技術を使用してSSABの現行生産レベルに対応する化石燃料フリーの鉄鋼を生産するには、年間約15テラワット時(TWh:10億kWh)が必要だ。これにLKABの事業転換完了時に必要な電力と合わせると合計で約55 TWh(SSABのニーズの大部分を含む)の電力が必要になる。

水素貯蔵庫の建設に使用される技術はLRC(Lined Rock Cavern)と呼ばれ、洞窟の壁はシーリング層として慎重に選択された材料で覆われる。スウェーデン政府は長期的イニシアティブ「Industriklivet(産業生活)」と銘打って2045年までにスウェーデンの化石フリーへの移行を支援している。
last modified : Tue 27 Apr, 2021 [10:38]
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