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◇アジア市場の鋼矢板価格、依然スラブ以下の水準
関係筋によれば、アジア市場の鋼矢板は依然値が上がらず、一人取り残されている格好だ。スラブやビレットなど形鋼類の半製品がCFR800ドル台に乗り、H形鋼なども同900ドル台になったが、わずかに需要がある台湾、香港向けでもCFR850ドル程度であり、同1,000ドルを付けたホットコイルに比べ150ドルの値差がついている。

中国から鋼矢板の引き合いが寄せられてきている。ただ、これまでの引き合いとは異なり、ビッドは相当安価だ。中国市場の鋼矢板相場はドル換算でトン720〜730ドルとされる。流石にこの価格では中国ミルも鋼矢板の生産に積極的にはなれず、輸入材があるならばそちらを使用して欲しいと顧客に通達しているようだ。このため、顧客は日本に引き合いを出しているのだが、日本は丁重に断っている。

韓国の現代製鉄の輸出オファーが出てきていない様子だ。アジア市場の価格を牽引してきた同社が動かないことから鋼矢板の価格も低位のまま。この要因について形鋼関係の設備改修は終了したものの、今度は高炉(第3高炉とされる)が不調で形鋼に鉄源が回らないためと伝えられている。

中国ミルは輸出市場にこれまでほど現れない、東南アジア地域での土木工事がなく買い手がいないためとされ、鋼矢板価格が上らないのも、これが大きく響いているようだ。需要家は鋼矢板を持たなくても困らない環境なために安価でも在庫補充したがらない。

ただ、中国の鋼矢板に対する輸出増値税還付率の成り行きだけは気にかけているという。それ次第では在庫補填に動くことが予想され、そうなれば、鋼矢板価格も上向くことが期待される。
last modified : Tue 18 May, 2021 [12:23]
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