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◇中国国内で200系ステンレス鋼の減産が拡大
=Ni銑鉄の入荷量減少、400系に切り替えるミルも
現地情報によれば中国国内のステンレス鋼ミルで200系ステンレス鋼(マンガン系)を減産する動きが拡大している。

現時点で、(1)広西自治区の柳鋼中金が5月にメンテナンスを実施して約3万トンの減産、(2)宝山鋼鉄が200系生産設備の一部を炭素鋼生産に転換し、200系は6-7万トン減産、(3)広西自治区の北部湾港新材料が電力制限から約5万トンの減産、(4)東部のステンレス鋼ミルは減産量不明だが200系生産設備の一部を炭素鋼生産に転換を決定、(5)南部の某圧延鋼メーカーは200系を減産し400系(クロム系)を2万トン増産と発表、(6)南部では別のステンレス鋼ミルも200系を減産し420系(快削鋼)を増産する計画、(7)東部のステンレス・ストリップ生産者も数量は不明だが200系の減産を表明――など、減産の合計は約20万トンに達するとの予想だ。

この減産の要因はニッケル銑鉄の輸入量減少とされている。以前の中国は大量の低品位ニッケル鉱石(ラテライト)輸入とロータリーキルン電気炉方式(RKEF)の生産設備により国内で盛んにニッケル銑鉄が生産され、300系(ニッケル・クロム系)や200系ステンレス鋼の生産コスト削減に貢献していた。しかし、電力代の上伸やインドネシアの未加工鉱石輸出禁止により、ニッケル銑鉄の生産拠点は海外に転出して、現在は輸入品が大勢を占めている。そして近年の電池需要増加によって海外のニッケル生産者がニッケル・マットや硫化ニッケルなどケミカル級の製品に注力し始めたことでニッケル銑鉄の生産量は減少し始めていた。

ステンレス鋼生産において300系・200系ともにニッケルを必要とするが、200系鋼材の価格は300系の半分前後と安価で生産者の利益は少ない。また、昨年末から電解金属マンガンや電力代が上伸していることを加味するなら、中国国内のステンレス鋼生産者が200系を減産し400系にシフトする流れは当然とも言える。
( T.斉藤 )
last modified : Tue 18 May, 2021 [12:24]
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