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◇2021年4月28日の合金鉄輸入市況動向
=合金鉄価格が反発、中国の省エネ政策で
中国国内では省エネ政策の推進により合金鉄の供給不安が再燃し、フェロシリコンやシリコマンガンなど一部の製品で価格が反発している。先物市場が過度に反応しており、価格上伸を先導する形だ。地方政府の方針にはまだ不透明な点も多く、合金鉄生産者の中には警戒心から一時的にオファー止めする者もいて、それが価格上伸を後押しするケースも散見されている。中国政府は石炭の消費量削減を目的に発電量の制限を行う可能性が高まっており、高電力消費産業である合金鉄は供給不安の長期化も懸念されている。

2021年4月28日の合金鉄の輸入市況動向は以下の通り。

◇金属シリコン=中国国内の金属シリコン価格は3月末近くになって下落を始め、4月中旬に底を打って下げ止まった。28日現在、中国国内の中心価格は553グレードがトン当たり11,800-12,000元(3月末比900元安)、441グレードは12,800-12,900元(同900元安)、3303グレードは13,900-14,000元(同300-400元安)、2202グレードは15,500-15,600元(同200-300元安)と、前回(4月15日)に比べ553と441が下落している。

一方、輸出向けは553と441グレードが3月末に比べて140ドル安、3303グレードは同70ドル安、2202グレードは同40-60ドル安で、中国国内同様に553と441のみ値下がりした。

価格の下落がほぼ止まったことについて市場関係者は、(1)需給バランスの改善、(2)アルミニウム価格の上伸による下支え、(3)政府の省エネ方針で金属シリコンの供給不安も懸念されること、(4)欧州連合(EU)による中国産アルミ製品への暫定アンチダンピング税賦課――などを理由に挙げている。

日本国内のアルミ需要は引き続き堅調だが、中国国内の価格変動により553グレードの成約価格は小幅に下落した。足下の成約価格は3月末(4-5月積み)に比べ110-120ドル安となっている。

◇フェロシリコン=今週、中国の寧夏自治区では合金鉄会議が開催されており、政府機関も交えて省エネの推進や環境負荷の軽減などが話し合われている。合金鉄業界では省エネの強固な推進に伴い、電力規制など減産を予想する関係者が多く。市場は再び供給不安が強まる展開となった。このため、大手生産者がオファー止めしたことや、投機筋による先物買いが勢いを取り戻したことで、フェロシリコン価格は上向いている。

日本国内では主要生産地である中国、ロシア、マレーシアでの値上がりが影響し、前月末に比べて成約価格は上伸した。欧州での販売価格が高いため、アジア圏向けの製品が減少していることも上伸の一因だ。足下の成約価格は3月末に比べてトン当たり上値10ドル高、下値40ドル安になっている。

中国産のフェロシリコン(硅素75%品)は持ち直し、3月末に比べ30-40ドル安となった。

ロシア産フェロシリコンは前述の通り、欧州市場向けが好調で日本向けの提示価格も引き上げられた。6月積みの成約価格は前回(5月積み)から80ドル高になっている。

マレーシアでのフェロシリコン生産は大きな変化無く継続している。現在のオファーは6-7月積みで、日本向けの成約価格は前回(6月積み)に比べてほぼ横ばいだった。

◇シリコマンガン=中国向けマンガン鉱石については4月中旬、南アフリカのTshipiが5月積みを、UMKが6月積み鉱石の価格を引き下げて提示した。中国国内でシリコマンガンの価格と輸入マンガン鉱石の小売価格がジリ安推移だったためだ。しかし、足下ではシリコマンガン価格が反発しているため、5月に提示されるであろうSouth32やエラメットコミログの価格は再び上向く可能性がある。

中国国内のシリコンマンガン価格は3月後半から急速に下落を続けていたが、上記の通り反発し、28日時点で3月末と同水準まで回復している。市場関係者は価格反発の理由として、(1)シリコマンガン生産地である内蒙古自治区(国内1位)や寧夏自治区(同2位)で生産制限の話が浮上していること、(2)投機筋による先物買いが再燃していること、(3)インドのCOVID-19感染爆発でシリコマンガンに供給不安が浮上したこと――などを挙げている。ただ、足下では国内電炉ミルに増産の気配が弱いため、大手鉄鋼ミルの5月分購入が始まるまで様子見でいる需要家は多い。足下で内蒙古産の6517品はトン当たり6,900-7,000元と、3月末に比べ横ばいになっている。3-4月中、日本向けの成約があった話を聞くが、一部の取引のみで成約価格は明らかになっていない。

インドでは現在、COVID-19の感染爆発が発生しており、シリコマンガン輸出では船積みの遅延が発生している地区もある。その中で、オファー価格を大きく引き上げる生産者がいる一方、マンガン鉱石価格の続落から6月積み製品を比較的安価で販売する生産者も居て上値と下値にはかなりの開きがある。COVID-19の感染爆発に対するインド政府の対応が注視される。

マレーシア産のシリコマンガンについては、OMサラワクとパータマ・フェロアロイズが生産しており、その成約価格はインド産よりもやや高くなっている。

日本国内ではスポット物の需要が堅調だが需要家からの値下げ圧力は強い。足下の成約価格は3月末に比べ0-70ドル安になっている。

続きは本紙「日刊 原料・鉄鋼貿易版」に掲載。
last modified : Fri 21 May, 2021 [12:55]
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