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◇アジア地域のNi系ステンレス冷延、CFR2900ドル台に
アジア地域の海外輸出市場でニッケル(Ni)系ステンレス冷延価格がCFR2,900ドル台を超えるケースがでてきた。日本ミルはオファーを止めているが、引き合いが来た場合、同3,000ドルを超えて提示することになろう。

今回、Ni系ステンレス冷延が値上がりしているのは、原料のニッケルがポンド当たり8ドル半ばまで上昇していること、中国政府がステンレスに対する輸出増値税還付率(従来13%)を撤廃した結果、ステンレス各社が価格転嫁を図り値上げに動いたことなどがある。

しかし、それだけではない。各国のステンレス需要が高く、国内に供給する必要があり、輸出市場にさほど積極的に出ていけないとの事情がある。需給によって値上がりするのは久しぶりのことである。

韓国のPOSCOは7月積みで国内向けNi系ステンレス薄板価格をトン10万ウォン(90ドル)、台湾ミルもドル換算で100〜150ドル値上げした模様。日本でも一部のミルがトン2.0万円(189ドル)値上げしている。

輸出市場ではインドネシアの青山鋼鉄がCFR2,600ドル以上で商談を進めているという。中国の太原鋼鉄も同2,900ドル台での交渉に入ったもよう。欧州では3,000ドルを超えたとの情報もある。

現在、世界的にステンレス薄板需給がタイトな状態にある。これが崩れる要素は今のところ見当たらない。7月半ばには韓国の貿易委員会が中国、台湾、インドネシアを対象としたNi系ステンレス薄板に対するADの最終決定が下される。これらの対象国は一段と値上げを迫られる。これに加え中国では輸出税賦課の見方が流れている。さらに一段の値上がり要素になるともいえる。
last modified : Thu 29 Jul, 2021 [14:03]
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