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◇リオティント、炭素排出量の少ない鉄鋼生産技術を研究
=原料炭に代えて持続可能なバイオマスを使用
リオティントは14日、炭素排出量の少ない鉄(ロー・カーボン・スティール)を生産する革新的な新技術の開発を進めていると明らかにした。この製鉄法は原料炭に代えて持続可能なバイオマスを使用するもので、鉄鋼業界での炭素排出量を削減する経済的に合理性のあるオプションとなる可能性がある。

リオティントはこの10年間、未加工で持続可能なバイオマス材料とマイクロ波技術を組み合わせた製鉄法で鉄鉱石を金属鉄に転換する製法を開発してきた。これは研究室レベルでは実証済みで、同社が鉄鋼のバリューチェーン全体で排出削減を目指す数多くの手段の一つであるこの特許出願中の製鉄法は、現在小規模なパイロット・プラントでさらに試験を重ねられている。その試験とより規模の大きな試験が成功した場合、最終的には商業規模で同社の鉄鉱石粉鉱を処理できる技術となる可能性がある。

リオティント鉄鉱石部門の責任者であるサイモン・トロット氏は、こういう。

「初期試験の結果は喜ばしいものだ。この新しい製鉄法は、当社のピルバラ鉄鉱石からロー・カーボン・スティールを生産するコスト競争力のある方法になるかもしれません。リオティントのスコープ3排出量の70%以上は、当社の顧客が鉄鉱石から鉄を作る際に発生する。世界が脱炭素化へ向かう一方で都市化とインフラストラクチャー開発に鉄は必要不可欠だ。まだ初期段階であり為すべき研究や作業がたくさんあるが、私たちはこの技術のさらなる開発を真剣に模索している」。

リオティントの製法では、主に化学還元剤として石炭に代えてリグノセルロース系バイオマスとして知られる植物を使う。バイオマスは鉄鉱石と混合され、バイオマスから放出されるガスと再生可能エネルギーを動力源とする高効率マイクロ波の組み合わせにより加熱される。

リオティントの研究部門はノッティンガム大学のマイクロ波プロセス・エンジニアリング・グループの複合専門チームと協力し、この製法を開発する研究を進めている。同学の化学・環境工学部長、クリス・ドッズ教授は、「この技術は商業規模に拡大された場合、鉄鋼生産工程の主要部分の脱炭素化を通して世界に影響を与えうるものであり、このすばらしいチームの一員になれたことは実にエキサイティングだ」。

リオティントの製法では、未加工のバイオマスを使用することで、バイオマスを最初に木炭またはバイオガスに変換する他のバイオマス・ベース技術の非効率性や関連コストを回避することもできる。

リグノセルロース系バイオマスには、農業副産物(麦わら、トウモロコシ茎葉、大麦わら、サトウキビの搾りかす等)やバイオマス原料目的で栽培される作物が含まれるが、どちらもこの製鉄法の持続可能な原料ソースとなり得る。

重要な点として、この製法には砂糖やトウモロコシなどの食品は使用せず、また、リオティントは原生林の伐採を前提とするバイオマス源の使用を行なわない。サイモン・トロット氏は続けて、「バイオマスの調達と使用には関連する複雑な問題があり、真に持続可能な製鉄ソリューションとするためには、さらに多くの作業が必要だ。これらの懸念と持続可能なバイオマスの供給可能性について理解を深めるために、当社は関係者の皆さまとの協力を続けていく」と述べた。
last modified : Fri 05 Nov, 2021 [11:35]
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