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◇宝山鋼鉄、国内向け12月積み電磁を除き大幅値下げ
=電磁鋼板は価格上昇止まらず
関係筋が得た情報によれば、中国の宝山鋼鉄は10日夜、12月積み国内向け板類の価格を各需要家に通知した模様。現段階で伝えられるところでは電磁鋼板を除き各品種とも200〜300元(30ドル強〜46ドル相当)の値下げを行う。

中国では1昨年のコロナから昨年の春場には感染が収まり経済活動を再開している。このため、宝山鋼鉄も鋼材価格の上昇をこれまで続けてきた。この間、横ばいはあっても大半の鋼材は値上げを実施してきた。下げとなるのは昨年4月以来という。

国内の鋼材価格が9月下旬から政府の価格規制、減産指示、それに高炉原料の鉄鉱石や原料炭などの値下がりで市況が下方に向かいホットなどでみると、10月中旬で全国平均で5,906元(909ドル、税込み)あったものが11月上旬では5,262元(809ドル)にまで値下がりした。北京では今週、5050元(777ドル)まで下がっている(もっとも12日には反発しているが)。これだけ市況が値下がりすると、宝山鋼鉄も鋼材価格を横ばいとするのは無理だったようだ。

宝山鋼鉄が打ち出した価格は12月積みではホットコイル300元、厚板200元、酸洗300元、冷延200〜300元、ハイテンが200元、その他が300元、溶融亜鉛メッキ鋼板200〜300元、電気亜鉛メッキ鋼板200元それぞれ値下げを行うものとなっている。

ただ、これに対して電磁鋼板は別の世界のようだ。方向性電磁鋼板はハイグレード品が200元アップ、ミドル・ローグレード品が300元それぞれ値上げだ。無方向性電磁鋼板にしてもハイグレード品は横ばいであるが、ミドル・ローグレードは300元上げである。脱炭素の潮流は中国でも勢いがあり、電気自動車に供給するハイグレードの無方向性電磁、更なる効率化を目指す変圧器への方向性電磁などの価格上昇は止まらない。

宝山鋼鉄の12月積み価格の値下げが輸出市場にどう影響するか注目される。国営や政府系の鉄鋼メーカーの輸出は依然少ないが、民営企業の動きが注目されるところだ。国内価格よりも輸出価格が上回ってきている製品が増加しており、その分野では輸出増値税還付が取り消されたとはいえ、この分を考慮しても輸出が有利とみた場合は中国の輸出量は増加に転じることも予想される。また、ベトナムの高炉なども影響を受けやすいためにホットなどの値下げは避けられそうもない。アジア圏は旧正月明けまで踊り場状態になることが考えられる。
last modified : Tue 07 Dec, 2021 [12:39]
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