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◇2021年12月27日の合金鉄輸入市況動向
=中国国内の合金鉄価格は下げ止まるも先安感
年末が近付き、中国国内の合金鉄価格は動きが低調になった。来年3月まで続く鉄鋼業の生産制限に対し、未だ供給の過剰感はあるものの、市場は薄商いで値動きに乏しい。この時期に薄商いとなるのは、春節の休暇(1月31日〜2月6日)を控えて1月に換金売り再発による値下がりを期待する需要家が多いためだ。その中でフェロモリブデンの価格はジリ高推移が続いている。南米の供給不安に対して最大の消費国である中国の市場と需要家が不安感をつのらせている様子だ。モリブデン価格の上伸はクリスマス期だった欧州でも観測されている。

なお、米国のバイデン大統領が署名した『ウイグル強制労働防止法』に対して中国政府も応酬の意向を表明しており、貿易摩擦の再燃が危惧されている。

2021年12月27日の合金鉄の輸入市況動向は以下の通り。

◇金属シリコン=中国国内の金属シリコン価格は11月末に再び下落を始め、12月中はジリ安推移が続いた。足元の価格は553グレードでトン当たり20,000-20,500元(前月末比6,000元安)と中旬から横ばいが続く。441グレードは21,500-22,000元(同5,500元安)、3303グレードは23,500-24,000元(同7,500元安)、2202グレードは40,000-40,500元(同11,000-11,500元安)となっている。需要家の買い控えや、年末の船積みを嫌気する流れから市場は薄商いで、553や3303グレードは中旬から値動き無く、441や2202は小幅続落という動きになった。ただ、市場には供給過剰感が強く、年明けは先安感が強い。

日本国内では中国国内での値下がり影響がまだ出ており、成約価格も前回(12月中旬)に比べて小幅に続落した。足元でアルミ二次合金向けの553グレードは11月末に比べて250ドルの下落となっている。

◇フェロシリコン=中国国内のフェロシリコン価格(現物)は12月に入って下げ止まった。中国国内では鉄鋼ミル向けの硅素72%品、金属マグネシウム向けの硅素75%とも、月中は値動き無く推移した。薄商いではあるが、売り急ぐ生産者やトレーダーも特にはなく。一方で輸出向けは堅調なため、市場に供給過剰感も少ない。足下で内蒙古産の硅素75%品はトン当たり10,100-10,300元、硅素72%品は9,200-9,400元で11月末に比べ横ばいだった。注目される動きとしては、ハイピュリティや低アルミなどの高品位品の価格が軟化している点だ。これまで限られた生産者と需要家の間で取引されていた高品位品市場に新規生産者が参入している様子で、その多くが淘汰対象に指定されたものの、まだ解体されていない小型炉の生産者とも聞く。

日本国内では11月に中国国内で値下がりした動きが成約価格に現れ、12月中はジリ安推移となった。ただ、未だ2,000ドルを割り込む成約は見られない。足下は薄商いだが、中国国内で下げ止まったことや、海上運賃の上伸などが価格を下支えしている。

ロシアの生産者は、中国産フェロシリコンの値下がりを受けてアジア向けのオファー価格を引き下げた。欧米市場のフェロシリコン価格は高止まりしているため、生産者は製品の多くを欧米市場向けに振り向けており、アジア市場向けの数量は限定的な状態が続いている。足下の成約価格は2月積みで、前回(1月積み)に比べ100-120ドル安となった。

マレーシアのOMサラワクは現在、3月積みの価格を提示しており、中国品よりやや高い価格で成約されている。同じサマラジュ工業パーク内のパータマ・フェロアロイズは長期契約向けの生産と出荷で手一杯としており、日本向けのスポット物についてオファーは無かった。

◇シリコマンガン=大手マンガン鉱山は中国向けマンガン鉱石の1月積みを値下げしているが、中国主要港における輸入マンガン鉱石の在庫量は減少傾向が続いており、国内向けの小売価格は下げ止まっている。在庫減少の主因がガーナ産鉱石の輸入量減少にあると考えられているため、在庫量の減少が価格の上伸につながる様子はない。中国の生体環境部は先週”オリンピック、パラリンピックのために河北省とその一体に操業規制を行ったわけではない”と述べたが。市場は春節(1月31日〜2月6日)、冬季オリンピック(2月4-20日)、パラリンピック(3月4-13日)、全人代(3月5日から)の期間を意識した規制と解釈している。アナリストの多くは”4月以降の経済回復により2022年の中国は2021年の経済成長を上回る”と考えており、鉄鋼需要も回復が期待されている。

中国国内のシリコマンガン価格は10月後半からジリ安推移が続いていたが、12月下旬に入ってようやく下げ止まった様子だが、市場関係者の中には”単純に薄商いになっただけの踊り場で、先安”と見る意見も多い。足下で内蒙古産の6517品は7,800-8,000元と、11月末に比べ400元安になった。12月下旬には一時的に50-100元下がったが、すぐに回復し、その後は値動きがない。日本向けの成約は今年6月下旬以降、見られない。

インド産のシリコマンガン価格は11月中に続き12月中もジリ安推移が続いている。地域によっては安値品の払底で下値が押し上げられたものの、上値は重く頭打ちになっている。市場関係者は理由として、(1)生産者の売り意欲が強いこと、(2)海外マンガン鉱山が1月積みの価格を引き下げたこと、(3)マレーシアなどライバル生産者の生産が堅調なこと――などを挙げている。

日本の需要家の買値は中央値に固まりつつも、安値と高値の成約も現れて上下差が拡大した。しかし、全体の傾向としては”先安感の強い停滞”という感じだ。スポット物の成約価格は11月末に比べて100ドル安となった。

マレーシア産のシリコマンガンについては、OMサラワクとパータマ・フェロアロイズが生産している。OMサラワクのスポット物は3月積みがオファーされている。価格はインド産よりやや高い。一方、パータマ・フェロアロイズは長期契約分の生産と出荷で手一杯であり、日本向けにスポット物のオファーは無かった。

続きは本紙「日刊 原料・鉄鋼貿易版」に掲載。
last modified : Mon 24 Jan, 2022 [11:43]
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